1月 282013
 

WEDGE によると。

 オランダへのこだわりを捨てたのがハウステンボス(長崎県佐世保市)だ。
 1992年の開業後、下降の一途を辿り、03年には会社更生法を申請。野村プリンシパルファイナンスが経営に参画したが、開業初年度から09年度にかけ入場者数は375万人から141万人、売上高は589億円から111億円まで減少。営業赤字が続いた。10年、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)創業者の澤田秀雄氏が経営再建を引き受けた。

 「本物のオランダを超える価値を創る」という澤田社長指示のもと、「日本一、東洋一、世界一」という規模感を持つコンテンツが導入された。その象徴が、「サウザンド・サニー号」である。「ワンピース」は累計2億8000万部の発行を誇る日本一の漫画だ。「この船に乗るために訪れるお客様も多い」と高田孝太郎経営企画室長は話す。澤田社長就任以降、最終黒字が続く。

 テーマパークは装置産業で固定費率が高く、損益分岐点を超えると一気に利益が拡大する。オリエンタルランドは毎年数百億円にのぼる大規模投資を行って顧客を飽きさせないが、これができるのは損益分岐点を大きく上回る売上高が維持できているからだ。大抵は初期投資負担が重く、黒字化の手前で沈んでしまう。

 USJも借入金による重い金利負担で、開業以来赤字が続いた。05年に米ゴールドマン・サックス(GS)と日本政策投資銀行に第三者割当増資を行うリファイナンスを実施し黒字化したが、利益の多くが株主還元され、内部留保が貯まりにくかった。09年にはGS系ファンドが完全子会社化・非上場化したが、のれんの償却などで2年間は赤字が続き、11年度決算から再黒字化し内部留保を積めるようになった模様だ。

 ハウステンボスの黒字化も、澤田社長の登板時に、債務整理されたことが大きい。12年9月期決算では152億円の売上で42億円の最終利益を上げた。589億円の売上でも赤字だった頃とは雲泥の差だ。

 テーマパークの運営は、損益分岐点を超すことに尽きる。財務面の改革を実施しながら、コストを下げて入場者数を増やす営業面の改革を迅速に行う。両社とも、過去の「こだわり」を捨て、少ない投資で最大のリターンを得る方策を模索した。強烈なこだわりと大規模投資に裏打ちされた「ディズニーモデル」を脱することが、再建の要諦なのだろう。

 Posted by at 12:01 PM

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